ドラゴン牛乳

キーワードは邪気眼。

中学時代は邪気眼発言＆行動を繰り返していた主人公。だけど高校デビューして普通になろうと努力した彼と、現在進行形で邪気眼発言ばらまきまくりのヒロイン（しかも常時コスプレ姿）の……ラブコメ……？
ラブコメと断言しかねる部分があるかも。笑える人には笑えるけど、笑えない人には笑えない。むしろ「痛たたたたた！」と古傷の痛みにのたうつ人も多そうな作品ｗ

特に邪気眼経験者（見たこと無いけど）で更正済みだと、読む途中に何度か深呼吸を必要とするかもしれないと思った。
登場人物のかなりが「自分は前世では○○だった」「記憶を失ってこの世界に迷い込んでいたけれど、もといた世界では私は○○だったの！」な人達ですから。あのいたたまれない感の高さはハンパ無ぇです。

あそこまでなりきるごっこ遊びには縁が無いけど、『必殺技出せたら面白いのに』くらいは思った事あるなぁ。かめはめ波の真似したり、指先に精神を集中したら何か出せないかな！とか。小学生くらいの頃の話だし、もちろん人前ではやらなかったけどｗ その妄想から卒業せずに楽しんでいる人たちがいーっぱい出てくるので、そういうのを楽しめる人には非常に面白いと思う。痛痒面白い。

あぁ、これは確かに田中ロミオだ…と思う小説でした。「人類は衰退しました」シリーズも好きだけど、田中ロミオらしさが（暴走並の勢いで）感じられるのはこっちかな！と。あやういバランスの上で成り立ってる人間関係書くの上手だなぁ。

でも内容の割に読後感は爽やか。
すっごくラブコメ！という終わり方でよかったです。先生めちゃくちゃだし、何よりヒロインかわいい。ちょっとどころじゃなく電波入ってる娘さんだけど、最後は少し歩み寄りの姿勢は見せてるし。普通になれるといいね、と思った。制服姿かわいかったー。

あと子鳩さんもかわいい。
ああいう子ってたまにいるよね。非オタクなんだけど興味持ったものは読んでみたり、見てみたりして純粋に「おもしろいねー」って言える子。ラストシーンでもあの子はただ単に夢見がちっ子だから妄想戦士に憧れた！という感じで、痛い感じはしなかった不思議。妄言垂れ流しシーンがある訳でも無いからそう思うだけかもだけど。でもやっぱ子鳩さんかわいい。

主人公が悪い方向に考えてる時の脳内子鳩さんのえげつなさも好きｗ
子鳩さんに純真そうな笑顔で貶されたら再起不能になりそうだわ。